【 異端児そして孤高の監督ギドクのピエタ 】
第69回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した本作。そのとき審査員長だったのは映画監督のマイケル・マン。彼にはキム・ギドク監督のテイストがハマったのだろう。
映画は孤独な借金取立て屋のガンドと突然現れた母と名乗る女ミソンを中心に展開、それ以外は借金を抱えた最底辺の人々だけが続々と登場する。
異端児ギドクしか作れないタッチが続く。
まったくもって居心地の悪い空気感。
ギドクは世界で通じたが、なぜか韓国映画界では冷遇されて、本作も低予算で撮影されているけど、その環境が皮肉にもヒリヒリ痛くて陰鬱な本作を産み出したのかも…
しかし、ガンド演じるイ・ジョンジンが頬こけてアイライン強くしたジャイアンツの岡本にしか見えないし、ミソン演じたチョ・ミンスのなんとも粘着感最強な佇まいも強烈だった…