みずか

愛のあしあとのみずかのレビュー・感想・評価

愛のあしあと(2011年製作の映画)
3.7
アンスティチュ・フランセのオノレ監督特集で。ヒロインの母親マドレーヌの若き日を演じるリュディヴィーヌ・サニエが何とも魅力的だ。靴屋の店員なのだが、靴をスカートに隠して持ち帰る姿も、娼婦と思われて値段を持ち出され、同意してしまうときの笑顔も、見ているだけで楽しくなる。明るい色彩に溢れた画面に、軽やかな唄は、60年代を舞台にしていることもあって、トリュフォーやドゥミを思わせる。時代が下り、90年代に入り、母親をドヌーブが、そして娘ヴェラをキアラ・マストロヤンニが演じるようになると、映画の雰囲気は一転重くなる。ヴェラがゲイのミュージシャンを追いかける物語は悪くはないが、悲劇的な最後には、映画の最初が幸福感に溢れていただけあって、戸惑いを覚えた。
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