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ビフォア・ミッドナイトのmoneのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
5.0
ビフォアシリーズの中で一番最初に見た作品。これに感銘を受け、観終わった後、他の2作品を直ぐ借りに行った。見る順番を間違えたのも良い思い出。

ウィーン、パリを経て舞台はギリシアへと行き着く。本作はロマンティックな前2作とは打って変わり、所帯じみた言い争いの多い、子持ち夫婦としてのセリーヌとジェシーの物語に。

色々な方のレビューを拝読する中で、喧嘩シーンはこのビフォアシリーズに要らないとの意見が多かったように思う。確かにセリーヌは本作で特に子供っぽく不平不満ばかり言う印象が強く、見ていて痛々しさを感じることはしばしば。

ただ、衝突しても結局は歩み寄っていく姿こそ、大恋愛をした2人の愛の集大成だなぁと個人的に思います。本作における2人の言い争いこそ、2人で生きていくことを決めた故の衝突だと思うし、それでも2人で生きて行くことを選択し続ける彼らを見て「真実の愛」を感じた。喧嘩をし合っても最終的に2人で連れ添って海辺を歩いて帰って行く姿には円熟さと恋人ではなく家族であることを選んだ彼らの覚悟が見られる。

(夫婦喧嘩の多い結末を究極の愛として見立ててそこに惹かれてしまう私の感覚も相当捻くれているんだろうか、、笑)

一作目の甘酸っぱくてワクワクした恋の始まり、二作目の運命の再会に続き、三作目で酸いも甘いも経験した2人の物語を、しっかり結末として届けてくれたビフォアシリーズに感謝。この作品に出会えて本当に良かった。
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