今作も、移動し続ける中でひとつの愛の形を描く。
前2作よりは空間に留まることが多いか。
それは安定・定住・変えられないものが増えてきて、移動というものができにくくなってくる世代を連想させる。
年齢を重ねると、やはりどうしても動かせないものができてくる。
家族、住居、友人との関係。愛だけでは動かせないどうしようもないことが増えていく。
ではその中で、どうやって幸福をつくっていくか。
それは相手を思いやり続ける忍耐力だったり、諦めまじりのユーモアだったり。もう人間力の領域。
sunrise,sunsetの続きや、その間に起こったことをセリフにうまく組み込んでいて、嘘か誠かまた分からないのもいい。
前作が結局どうなったか、間はある程度鑑賞者の想像に委ねられているのが心地いい。
年相応の悩み、二人の関係が、決してドラマチックなのではなくどんな男女関係にも当てはまりうるのがリアル。