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ビフォア・ミッドナイトの346のレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
3.8
最近、サンセットを観たのでその流れで。

二人だけの会話劇という枷をはずした冒頭は、仕方ないことなのかもしれないけど寂しかった。周りがモブキャラ以上の働きをしてて、そのシガラミを提示しないと所帯を持つ二人の会話が成り立たないのもわかる。けど、それを全部、会話でやってみせてよ!…って、ワガママを言いたくなるのは悪い客なんだろうな。1と2と違って説名台詞を入れる隙間がないほど二人は一緒に生活していたわけだし。うん。よし、許そう。


まぁ、何を言ってもこの映画のハイライトはやはり喧嘩のシーン。あの喧嘩はすごいリアル。イーサン・ホークがワインをグラスに注いで、なんとか空気変えようとするのは男あるあるだし、デルピーはグラスに口をつけないのも女あるある。男はこんな揉め事で今の時間が楽しくなるのが嫌だし、女はその揉め事をなかったことにしようとするのが嫌だし、だから絶対にああいうタイミングでとりあえず飲も?みたいな感じにしちゃだめなんだよね。わかるわかる。あったあった…。

だから全世界の男たちは憧れを持って、この映画のイーサン・ホークを見つめるべきだし、あの力を見せつけられた今となっては、彼がアベンジャーズの仲間入りしたとしても驚きはないのです。


あと、これは、くだらないことなんだけど、外国人にとって、ブロージョブってどれぐらいの感覚なんだろう。彼女が元カレとこっそりご飯言ってチューしちゃった。ぐらいな感じなんだろうか。でもチューなら、チューで終わってる感じするけど、アレをアレしてしまったら、それだけで終わってる感じはしない。だから日本人のカップルの喧嘩でお前、元カレとヤッたったんだろ?という詰問はあっても、お前、元カレの咥えたんだろ?って詰問はなかなか出てこないのは、そこいくと最後までしてるでしょ?ってあるからだと思うけど。外国の人だと、最後までいかないためにもオーラルセックスで終わらせました。ビジネスライクでしょ?的な感じがあるのかな。どうなんだろう。まぁいいか。

感想に話を戻すと、風景が流れないシーンが多いのは二人が停滞してるという暗示でもあるんだろうけど。移動しながら会話していくというお約束が少ないのもやっぱり寂しかったな。それでも、会話は知的だし、ユーモアがあって、ウイットに富んでるし、だから下品な会話にも色気があるし、生き生きとしてるあの語り口は心地よくて好き。会話だけでこれだけ飽きさせないってすごいと思うし、このシリーズは3つとも観てよかった。
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