SetsukoAzuma

ビフォア・ミッドナイトのSetsukoAzumaのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
3.9
「Before Sunrise」から18年。
シリーズ、ラストの第3作の舞台はギリシャで、夫婦になったジェシーとセリーヌが繰り広げる恋愛の情熱が冷めた夫婦のリアルな会話劇。

監督のリチャード・リンクレイター、主演のイーサン・ホークとジュリー・デルピーの3名まったく変わらず(主演二人は脚本も一緒に書いてる)、ウィットに富んだ知的な男女の会話がリアルすぎて、前2作のロマンス色が抜けたらこうなるよなあと納得。

あの情熱的な出会いから、念願の夫婦になったにもかかわらず、お互いのキャリアや子育て、家事分担の話まで、とにかくあるあるな話のオンパレードに、前2作のファンとしては、戸惑う人もいたみたいですね。
トキメキが今回には全くない(笑)

男たちの会話、女たちの会話、そして年代も国籍も違う世代が食卓でかわす男女についての会話。
とにかく相変わらず会話メイン(ギリシャの海沿いのリゾートは素敵でした)で2日間くらいの出来事が全てトークで、脚本命の本シリーズ。
恋愛と結婚は違うなあとしみじみと感じさせられました。

とはいえ、さすが小説家のジェシー。
ラストの仲直りの糸口を作るところは、普通の男じゃ無理です。特に日本男児は!(笑)

お互いの嫌なところにうんざりしながらも、はたから見てるとやはり、この知的でロマンティックな会話がとめどなくできる二人は運命の二人ではないかとも思うのでした。
他の人じゃ、ボキャブラリーについていけない(;^ω^)

20代から80代までのカップルの形が浮き彫りになる、食事のシーンが一番面白かったですね。
会えない時はスカイプでやり取りできる時代ですから、1のときに連絡先もまともに教えあわなかった時代とは全く違う男女の恋愛になりましたね。
それで二人は9年も会えなかったのに!

イーサン・ホークは30代くらいから、あんな感じでしたが、ジュリー・デルピーが貫禄あるお母さんになってたのが衝撃。
いや、まあ自然なんでしょうけども。。

これ、あと9年後に、続編できるんでしょうか。
sunrise、sunset、midnightときたら、次は??
お互いの我のぶつかり合いが続いてたカップルが、またどういう形に変わるのか。
観たくないような、観たいような。
自分も一緒に年を取ってるので、また違う視点で観れる気がします。

とはいえ、個人的にはやはりトキめきの1が一番好きだなあ。