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真夏の方程式のYAEPINのレビュー・感想・評価

真夏の方程式(2013年製作の映画)
3.7
そういえば観ていなかったので『沈黙のパレード』ついでに鑑賞。
当時なんで観なかったんだろうと振り返ると、友達から「福山雅治と北村一輝の絡み少ないよ」と言われたから、という不純すぎる理由だった気がする。

確かに玻璃ヶ浦という沿岸地域が舞台のため、湯川と草薙の直接的な交流はほぼないが、その分水も滴るイイ福山が堪能できた。

事件の概要として、そこまで手強い敵がいる訳でもなく、凶悪な思いが渦巻いている訳でもないので、ハラハラ感は少ない。
どちらかというと、子供嫌いの湯川先生と溌剌とした恭平少年の交流を、美しい海の風景と共に描くことがメインになっている。

各所の映像は非常に美しく、豊かな海中、岩から覗く夕日、ペットボトルから吹き出す水、全ての要素が夏の輝かしさとその儚さを物語っていた。

キャストの中では前田吟の演技が特に迫るものがあった。
家族愛を描くストーリーは見慣れて心が動くことも少なくなったが、川畑重治役の前田吟からは、長年の疑惑と絶望を超え、娘と妻を愛し続けてきた人物の覚悟が重く感じられた。

最後には、なかなか胸糞とも思えるトリックが判明するが、湯川先生は恭平に対して、しっかり手厚いアフターフォローを欠かさない。素敵だ。
彼は今後暗い気持ちを抱いたとき、きっと湯川先生を思い出して分からないことを調べ、その上で進む道を決めていけるだろう。

『ガリレオ』映画シリーズ3作では、男が女を守る構図が共通していて興味深い。
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