熊

くちづけの熊のネタバレレビュー・内容・結末

くちづけ(2013年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

テーマに関心があって観てみたが、演出が全体的に安っぽく、またテーマに対する姿勢も自分はいいと思えなかった。率直にいえば、なんだこれ?という感じ

差別発言をする同級生が明らかに見た目が悪かったり(ルッキズム)、その同級生がホーム入居者に性被害を受けたときのセカンドレイプを肯定する描写がかなり気になった(見た目の悪い人間が性被害に遭ったことを主張したら笑い者にしていいと思ってるんだろうか?そういう姿勢が知的障害者への性被害も見えにくくしているのではないか?)。
あときょうだい児問題や、実際に刑務所には福祉から漏れた人たちが多くいることについてどう考えているのかも気になった。。
そして何より、親の勝手で殺された子どもに対して誰も怒りを感じてなさそう(感じてる人もいたけど大したことなかった)なのが、恐ろしすぎる……イイハナシダナ〜みたいに締められているが疑問しか感じない。
実際に、こうした障害を持つ子どもの親による殺人事件は、世間から同情の声があがることが多い。そして、障害をもつ当事者からは、そのことに対する批判が常にされてきた。「障害者とは、殺されてもしょうがない存在なのか?」

ただ、「何か危ういことをしうる人」というイメージをもたれがちな知的障害のある人について、実際には被害者になるケースが数多くあることを示したのは大切なことだったと思う。
データでみても、被害者になるケースの方がずっと多い。

作中にでてくる人たちは、本当に頼ることのできる先が少なかった。少ないから、こうした結末になってしまった。
現実にあるこうした状況を変えていかないといけない。障害のある子どもの生殺与奪権を親や身内がもっているなんておかしい。そんな権利はだれももっていない。かれらが自分で生きていける社会であるべきだ。かれらが拠り所にできるものを増やし、どこかがなくなっても立っていられるように過ごせるのが、必要なことだと思う

とここまで書いて公式サイトをみたが、「愛の物語」「感動」のようなものを押し出していて、改めて、ふざけてるのか?と心から思った
熊