昨今亭新書

オブリビオンの昨今亭新書のレビュー・感想・評価

オブリビオン(2013年製作の映画)
4.7
ウェルメイドなSF映画の感想として「ゲームのムービーっぽい」と思うことがたまにある。ジャンルの特性ゆえ、世界観の作り込みの割に一本筋で急ぎ足なストーリーになりやすいためだろう。

本作はその系統の中の最高傑作と言っていい。SFファンとしては既視感のあるストーリーや展開ではあるのだが、オマージュの加減が丁度いいため観ていて醒めることはない。むしろオマージュ元の作品を知っている人の方が楽しめると思う。
そして何より、映像美が圧倒的。CG技術の高さもさることながら、荒廃した地球のデザインやカメラワークなどどの点を取っても素晴らしく、「作り物であることを忘れそうになる」という滅多にない体験までできたほど。とにかく冒頭30分だけでも観てみてほしい。