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眠れる美女のmrhsのレビュー・感想・評価

眠れる美女(2012年製作の映画)
4.7
久々に傑出した映画を観た。

というかこれは『愛、アムール』を超えてると思う(と書いて何人に伝わるのだろう)。

『夜よ、こんにちは』もそうだったが、マルコ・ベロッキオは映画というフレームの中で別のフレーム(主にテレビ)を多用して現実の複層性や二重性、どうにもならなさを描くが、これは『夜よ、こんにちは』よりさらに洗練され、脚本も複雑になったという印象。

イタリアで実際に起きた1人の女性の尊厳死(の是非)を台風の目としてその周りで様々な人間ドラマが渦巻く群像劇で、登場人物のほとんどが何か心に欠落を抱えているという重苦しさだが、単なる"重い話"になってないのはマルコ・ベロッキオのマッドな(としか言いようのない)センスゆえだろう。
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