マルコ・ベロッキオが尊厳死をテーマとし、医療と法律、宗教と死生観などをめぐる議論が巻き起こるイタリアを描いたドキュメンタリーテイストのドラマ。17年間植物状態が続いている女性に対する尊厳死の適応有無について、社会的な議論を呼んだ実際の出来事を元に制作されたもの。議員の妻・大女優の娘・薬物中毒の自殺志願者の女性、死をめぐる環境に身を置く3人の人間をめぐる3つの物語が、時系列を取っ払って並行して描かれている。自殺志願者の女が、「生きることの強制」に対してする主張に、植物状態の女性たちを代弁させるかのような錯覚をさせるところが面白い。
