いかえもん

インポッシブルのいかえもんのネタバレレビュー・内容・結末

インポッシブル(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

タイにリゾートに来ていた家族が、スマトラ沖地震の津波に飲み込まれながら奇跡の再会を果たした実話。

津波のシーンがあまりにもリアルなので、観る前にかなりの覚悟は必要だと思う。しかもわりと冒頭でそのシーンがあります。
私は、阪神大震災で震度6強を経験して、死を意識したこともあるけど、津波は映像でしか見たことなかったので、実際に水の中で何が起きているのかまでやっぱり想像ついていなかったなと思った。病院や避難所のようすや救助された人たちの心情なども、非常に細かく描かれていて、ショックを受けることが多かった。

こんな過酷な状況だからこそ人間性が問われる部分があって、日本人はこういう時えらく海外の人から賞賛を受けるけど、互いを思いやる気持ちに国籍やら人種やらは関係なくて、意識の問題なんだなと思った。瀕死の状態でありながら、息子にあなたにもできることを見つけて人を助けなさいと教える母親の強さとやさしさに胸を打たれた。
この家族を演じる俳優さんたちが皆さん本当に迫真の演技で、母親役のナオミ・ワッツ、父親役のユアン、息子役のトム・ホランド、皆さん素晴らしかった。何度も泣かされた。

この家族は奇跡的に助かったけど、そうではなかった人たちもいたこともちゃんと描いていて、この映画をただのお涙頂戴映画にしていないところも評価の高さに表れていると思う。