全くウォン・カーウァイ監督らしくない映画。映画としての質はかなり酷く観た後の喪失感が半端ない。90年代に栄華を極めた監督の衰退を目の当たりにして残念な気持ちになった。この監督はあの時代に偶然マッチしていただけで時代に取り残されてしまったのだろう。さすがに、このクオリティは現代では通用しない。名監督は晩年に自己満映画を撮る傾向が強いが、そういった事なのだろう。
トニー・レオンとチャン・ツィイー中心の展開だが、まるで中身が無い。父親の復讐は分かるがイップマンほぼ関係ないし、唐突に挟まれる電車の中や床屋でのエピソードは意味不明。ラストに至るまでが雑すぎるからルオメイのイップマンに対する思いや病死が全く響かない。もっと人物を丁寧に描かないと映画としては厳しいよね。人にお勧めできない映画。
