円柱野郎

グランド・マスターの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

グランド・マスター(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からすぐにアクションシーンなんだけど、クロースアップ・スローモーション・水しぶきの畳みかける映像美。
いわゆるカンフー映画としてイメージするエンターテイメント路線とは違いますよ、とここでスッパリ言って聞かされた感じ。
アクションシーンは確かに要所要所にあるのだけど、主眼はその時代に生きた達人たちの物語であって、鑑賞後も俺はアクション映画を観たって気分にはならなかった。
手合せをしたことで芽生える葉問と宮若梅の関係性や、宮若梅が背負う馬三に対する復讐心と決意。
そういった部分に宗師たちの生きざまを感じる。

描かれる時代の範囲が長いので、すこし断片的な感じもしたし、そのせいか映画も少し長く感じたのだけれど。
けど、時代の空気をイメージで伝えるのは上手いよね、さすがに。
この時代を描くと日中戦争の話は避けて通れないけど、ことさらに悪役として日本が描かれるでもなく、あくまで宗師達の物語としてブレなくて一安心w

葉問については、俺はドニー・イェンの映画のイメージが強いけど、トニー・レオンの佇まいももちろん良い。
しかし個人的にはチャン・ツィイーの宮若梅の、一門を従えているシーンがすごく印象に残ったなあ。
円柱野郎

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