Automne

まぼろしの市街戦のAutomneのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.5
愛と平和、終始ハッピーって感じが最高だった。
『UNDERGROUND』もそうだったけど、緊張感のない戦争映画に流れる独特のポップな空気感が好きで、たとえるならクレヨンしんちゃんの大人帝国の中で出てきた、誰も人が居ないコンビニでお菓子たくさん漁るシーンみたいな感じとか、災害用の自販機は地震が起きたらタダで飲み物出てくるんだよって教えられたときに心の中に湧き上がった謎の高揚感みたいな、そんな風味がある。
社会と断絶されているが故に、社会が戦禍に見舞われても精神病患者は影響がないというのはめちゃくちゃな皮肉で、ラストの銃撃戦もそうだけど人間の愚かさからスタートしてそれをシリアスにせずに描いているのが見事。結局のところ男女問わず、恋愛や家族に関わらず、人間の根源にある愛が大切だなあって感じた。それぞれに愛があって、心から人生を楽しむことを想い出す。それはたぶん何のためにとかでもなくて、自然に心の泉から湧き出るような感覚的なもの。名作です。
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