柏エシディシ

21ジャンプストリートの柏エシディシのレビュー・感想・評価

21ジャンプストリート(2012年製作の映画)
4.0
問答無用の傑作。
アマプラ終了という事で滑り込み鑑賞。
もーうノーストレス。ちょっと最近こう、眉間に皺を寄せて観る映画が多かったモンだから(もちろんそういうのも良いのですが)、スルスルとカラダに入ってきちゃう様に楽しんでしまった。
高校時代のいじめっ子といじめられっ子がマブダチになる。というフツーの映画だったら時間掛けそうなところはハイライトでさっさと済ませて、あとは2人のイチャイチャやおマヌケぶりをたっぷり楽しませてくれる。
フィルロード/クリスミラーのテンポの良い作劇が気持ちイイ。
アメリカ学園映画の伝統を軽やかに解体してみせる物語も、とても面白く、実は深い。
カルチャーギャップ、ジェネレーションギャップコメディとしての設定を活かしつつ、社会の縮図、人生のハイライトとしての高校生活を脱構築してみせる。(2人の属性が現在と過去で立場的に逆転するのが上手い)
分かり合えないと思っていたアイツも、もしかしたら自分と似た様なところもあるかもしれないし、自分とはかけ離れていると思っている場所も、意外に楽しいかもしれない。
どうしようもなく下らないギャグに大笑いしながらも、何だかそんな風通しの良さというか、オープンマインドが心地良い。
もう10年前の作品というのが信じられないが、改めて観ると学園映画や広義のエンタメ映画に与えたインパクトは改めて大きい様に感じられる。
実は「21ジャンプストリート」以前以後、ぐらいな。
これだけの傑作が日本では劇場で掛からなかったのは本当に残念でした。
柏エシディシ

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