hiroki

最高の人生のはじめ方のhirokiのレビュー・感想・評価

最高の人生のはじめ方(2012年製作の映画)
5.0
最愛の人を亡くし、お酒を飲むこと以外の意欲を失っていた作家のモンテが、一夏の避暑地での出会いを通して人生において大切なものに改めて気付かされ、創作意欲を取り戻していく物語。

日常ののんびりした雰囲気が流れる映画だった。1日1本を目標に映画を見るようになってから、だいぶ観た本数も増えてきたが、その中で感じたのは、私はこの作品のような穏やかな雰囲気で、心に温かいものを残してくれる映画が好きだということ。

モンテにとってオニール一家との出会いが人生を変えるきっかけになったが、1番はやはり次女のフィンとの想像力に関する授業だろう。彼女は物語を作りたいという思いから、作家のモンテに教えを乞う。その素直さと健気さに触れれば、誰でも邪険に扱ったりできない。自然と懐に入られて、彼女に想像力とは何か、物語とは何かを彼なりに教えているうちに、描きたいという気持ちが再び巻き起こったのだと思う。

シャーロットとの恋ももちろん大きな要素だったと思う。ピアノが弾ける女性って素敵だなと思った。美しい音楽が聴けるだけで、幸せだと感じられる。将来、自分の家を持ったら、大きなグランドピアノを置いて、美しい音楽に囲まれて暮らしたいと思った。

小説を通して、自分のできないことを主人公に実現してもらえる。暗に自分の思いを伝えることができる。そういう意味でとても便利な創作物だと思った。物語を創り出すのはきっと大変な道のりだろうけど、私もいつか書いてみたいと思う。

モンテがフィンに言った言葉。「そこにないものを探し続けろ」想像力を持ち続けることが心の豊かさに繋がるのだろう。

人の幸せはお金でも名声でもない。人との出会い、美しい景色、美しい音楽、動物との触れ合い。そういった何気ないものがあるだけで、私たちは最高に幸せだと感じることができるのかもしれない。
hiroki

hiroki