NANCY

最高の人生のはじめ方のNANCYのレビュー・感想・評価

最高の人生のはじめ方(2012年製作の映画)
5.0
そこにいるだけで映画になる男、モーガン・フリーマン。
彼の演技は底知れない。
今作では執筆をやめて飲んだくれた作家の役所。
そんなモーガン・フリーマンがある島に夏の間住む事になり、隣のシングルマザーと3人娘との触れ合いを描いている。
正直、これを観て感動しない人間はいるのか、というくらい素晴らしく、とても感動した。
もう面倒臭い事を言わずに、ただ、ただ、良い映画だった。
作家という事で、同業者である僕に大きな刺激を与えてくれた作品。
この作品の中には数え切れないほどの名台詞が入っている。
作家が作家であるべき言葉を口にするし、それが何よりも純粋でロマンティック。
「そこに無いものを見ろ」
素晴らしい台詞です。
とりあえず感動したい!という人には是非お勧めしたい作品だし、モーガン・フリーマンの役者としての重鎮感が物凄いので、本格的に映画を趣味としている人にもお勧めできる。
ラストは取ってつけたようなラストだが、流れとしてこうならないわけがない。
むしろ最高のハッピーエンドだ。
そしてこの作品には大問題がひとつある。
邦題問題だ。
タイトル「最高の人生のはじめ方」とあるが、作品と全く合っていない。
日本人にとって観たくなるような邦題に書き換えるのは商業的に仕方ないのかもしれないし、それは最早止める事すらできないのだが、今作の場合は訳が違う。
原題が物凄く良いのだ。
「THE MAGIC OF BELLY ISLE」
魔法のような小さな島。
魔法が起きる小さな島。
何故このタイトルを「最高の人生のはじめ方」に変えるのか…。
日本映画界の邦題のセンスに疑問を投じたい。
しかし素晴らしく良かった。
モーガン・フリーマン、大好きです。
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