ENDO

悲しき酒場のバラードのENDOのレビュー・感想・評価

悲しき酒場のバラード(1991年製作の映画)
4.0
カーソン・マッカラーズの翻訳されてる長編は大体読んだ。その中でもこの話は特に不可解だった。余りにイメージ化しにくいのだ。全知全能とでも言うべき巨軀の女が取り仕切る町。そこに現れた小人との奇妙な愛情。その関係を引き裂く刑務所帰りの元夫、その男に強く惹かれる小人。メロドラマみたいな三角関係。レッドグレイヴとキャラダインのベアナックルは凄惨。やはり脳内で再生された人物の方が魅力的だった。つまり寓話。劇中映画館で流れるのはサイレント女優ノーマ・タルマッジの唯一のトーキー主演作『紐育の囁き』(1929)!誰も知らないプレコード映画。『ブラック・レインボウ』みたいな全て喪失したあとの回想。自主字幕!(パンフにシナリオが掲載されているので参考になります)無駄に多用される2焦点レンズの演出にクラクラ。
ENDO

ENDO