真田ピロシキ

プレミアム・ラッシュの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

プレミアム・ラッシュ(2012年製作の映画)
2.2
私はキャノンデールのクロスバイクを持っているのですが、去年坂に挑戦したら全然登れなくて、それでなくても加齢で長距離のサイクリングはキツくなってきて思い切って30万円近いe-bikeを契約しました。車を買うよりはずっと安い!そしてグレタ・トゥーンベリを支持する身としてはこれこそ今の移動手段に最適だからね。それで最近は自転車の動画をたくさん見てて、なんか自転車映画も見たいなと思って調べたらオススメに出てきたのが本作。

そうして見始めたのですが道路の真ん中を掻い潜る自転車メッセンジャー。アメリカの自転車事情を知らないのでここは何も言いますまい。しかしノーギアはともかくノーブレーキ自転車で混雑の中を減速せず進み続ける主人公。気の狂った悪徳刑事に追われてからは逆走、歩道走行と自転車のルールを破り続け、危険を察知した時にはルートをシミュレーションするのだけどその内容が乳母車を轢いたり生々しい。コイツが何気なくやってるのはそういう事。スーツを着る人生にゾッとしてスリルを求めるといういい年して中二病な感覚は嫌いじゃないから尊重したい。だけどテメーの中二病のために他人の命を危険に晒す権利はねーんだよ。テメーだけ無様に死ね。車に轢かれても轢いた人の心に傷を残すから下りを曲がりきれずに高所から落下死しろよ。こんなクソバカボケカス中二病をさもクールであるかのように描かれるのは多くの真っ当な自転車乗りに対して迷惑極まりない。悪徳刑事と同じカテゴリーでしかない。でも、車映画にならこういうのたくさんあるので、珍しい自転車映画なので悪目立ちした節はありますね。『ニード・フォー・スピード』のジェシー・ピンクマンもこんな感じだし。それでも好かん。自転車も人を殺す凶器であることを軽視したらいかんよ。

こんな如何にもバカなハリウッド映画見なければよかった。一応時間を前後させて別の角度から物語を見せてて工夫はあるし、かなり薄い背景でしかないが依頼主に中国のチベット問題を絡ませていて知的さをアピールしている?子供を殺しかねない危険運転しながら「子供のためだ」とか言われてもちゃんちゃらおかしいですがね。バーーーーカ。こんな映画見るよりYouTubeの自転車動画の方が100倍面白いよ!