Automne

ホーリー・モーターズのAutomneのレビュー・感想・評価

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)
4.0
メタofメタでめためたな映画だった。

映画の歴史を紐解きながら、三人称であるカメラという存在を織り込み済みで進められていく、映画内映画。映画史において、カメラとは何か?そもそも誰がそれをみているのか?みたいな問題がずうっとあった中で、カメラが見えないほど小型化した近未来+その世界で映画を演ずる人物たちという設定の妙。映画的に良いシーンの詰め合わせお得用パックみたいなもので、カラックス自身のセルフオマージュも兼ねる秀逸さ。

さまざまに移り変わる演技としての役どころの中で、『ポンヌフの恋人』が20年ぶりに再会するのアツ過ぎた…❣️そこもあくまで"アポ"の中なのかもしれないけど、アポかどうか分からんように作られてたの良かった。映画内映画を実践しているのに、あからさまにつくりものっぽいミュージカルのシーンが、映画の中のリアル(映画の外)じゃないかと思ってしまうような構造の心地よいねじれ、観ていてとても不思議な気持ちになった。

名作映画とカラックス映画のオマージュが随所に散りばめられてるらしい、と考察サイトに書いてあって、もっとカラックス作品見尽くしたあとにまた観たいと思った。
でもやっぱりカラックスなので初見でも楽しめる…つよい…
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