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愛さえあればのmocomocoのレビュー・感想・評価

愛さえあれば(2012年製作の映画)
3.8
この邦題からはさほど興味を抱けずあまり期待していなかったのだがいい意味で予想を裏切られる内容だった。
原題は「ハゲの美容師」という意味だそう。ロマンスの香りはしないがインパクトは大である。

乳ガンの治療を終えたばかりの主人公イーダは夫の浮気現場を目撃。ショックと怒りの冷めやらぬまま、娘の結婚式のためイタリアへ向かう。

イーダ役のトリーネ・ディアホルムが何とも魅力的。彼女は強さと弱さが絶妙なバランスだ。ウィッグさえも取って裸で海を泳ぐ潔さや娘を守る強さ、一方で、夫に謝られて浮気を許してしまう情深さやガンの再発に怯えるところ、そんな人間らしい部分が人を惹きつけるのだろう。
また、原色がよく似合う。赤のドレスや青、ピンク、グリーンなどの衣装で目を楽しませてくれる。

共演者もなかなかの個性派揃いで、それに何と言ってもソレントの景色の美しいこと!重い悩みではあるけれど、このロケーションで描く事によって、最後には爽やかな希望を心に残してくれる。
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