ふじこ

孤独な天使たちのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

孤独な天使たち(2012年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

14歳の変わった少年ロレンツォと、9歳上の異母姉オリヴィアとの好きウィークの間地下に隠れ住むお話。

青春のアレコレや、父を奪われたと思っているコカイン漬けの異母姉。
どっちも”普通”の範囲から少しはみ出た2人が、複雑で微妙な距離感がありながらも姉弟として助け合って思い合って、最後は爽やかにそれぞれの道に戻る。

少し不思議だったのが、ロレンツォにとっての母は母ではなく女であるところ。
世界に2人だけだったら、子孫を残すよね?と。母はそんな話は止めなさいと言うものの、一体何がおかしいのか分かっていなさそうだった。
小さな子にとっては、母は母であり女であり、将来ママと結婚する!とかは良くある話だと思うのだけれど、ロレンツォは14歳。不安定が過ぎる。
オリヴィアと励まし合うように、隠れずに生きていく事、少し打ちのめされたって大丈夫だと約束を交わすのだけれど、ロレンツォは誰も傷付けたくないと言って一人で居ることを好んでいる。自分が傷付くこと、ではなく。
まぁどちらも同じ意味合いを持つんだけども。
生き辛い少年のこの先の展望に希望があるような、ないような…。

監督としてはそれぞれに望むような明るい未来を想定して終わらせたのかなとは思うのだけれども。

原作は未読だが調べたところ、結局2人連絡を取り合う事もなく、10年後に薬から抜け出せなかったオリヴィアが死亡するところを再会として終わるみたいだった。たぶん。
なんだかその方が邦題と相まって好みかな、と思った。
ふじこ

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