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孤独な天使たちのsのレビュー・感想・評価

孤独な天使たち(2012年製作の映画)
4.0
ベルトルッチの遺作。御歳70超えでこんなにも瑞々しく青春を描けることに驚く。開始早々CureのBoys don't cryを流すとかいう卒業制作とかでやりがちなことを堂々とやってのける。なんてかっこいいんだろう。ベルトルッチの私生活を思えば、ある意味ずっと思春期を抱えて手放せずにいた人だったのかもしれない。『Dreamers』のような官能的要素は少なく、若干の物足りなさがあるのは否めないが、いつかは終わってしまうモラトリアムへの讃歌、自由と孤独を手にするための"音楽"という存在が強くそこに在る。学校をサボり川原のベンチでipodを聴き、沢山の本を読んだあの日々のことが人生において無駄だったとは全く思えないのはきっとそういうことなんだろう。ベルトルッチがそうだったように、そういうかけがえのない瞬間だけを死ぬまで愛していたい。
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