湯葉

孤独な天使たちの湯葉のネタバレレビュー・内容・結末

孤独な天使たち(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

序盤はロレンツォだけの世界を覗き見してるみたいだった。でもものすごく新鮮というわけじゃなくて、「お父さんも喜んでたわよ」と言う母親に「なんて言ってた?」って聞き返すところ、うんそう言っちゃうのわかる、わかるよと思った。

「一人は楽かもしれないけれど、楽なことが喜びになるというわけではないと思う、生きることは辛いけど、辛さがあるから喜びがあるのかも、自分の殻を破ったら、怪我しちゃうかもしれない、でもそれって生きてるんだから仕方ないよ、生きてると必ず傷がつくものなんだ、だから大丈夫。蟻の巣のシーン見てくれたでしょ?」と優しく温かく言われているように感じた。

ロレンツォとオリヴィアが抱きしめ合うシーン、2人だから孤独が消えた、というのではなくて、2人の中にある孤独が繋がったようだった。それがとてもいい。
この人の中にも孤独はあるんだ、と思いあえたら、孤独なんだけど孤独じゃない。一生孤独と生きることは変わらないけど。

物語には終わりがある、でも2人の人生に目に見える区切りはなくそのまま続いて行く、ああいう終わり方好きだ。音楽も素敵。
湯葉

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