ジョルジュ・バタイユの『眼球譚』の映画化作品。
原作のシーンを見事にモンタージュして、全く別物の作品に仕立て上げている。
あまつさえ、どこか屈託ない若々しく露悪趣味的で、性のエネルギーに満ち溢れた若者が大人や権威、良識を踏みにじっていくシュールレアリスムのポルノ小説を、陰鬱で過去に囚われ狂気に堕ちた老人たちや権力が若者たちを踏みにじっていく怪奇物語に変容させたのは、想定の斜め上をいっていて凄い。ビビった。
映像もシュールで美しく、DVD収録の画像の状態が悪いのは残念。
原作とは違い、露骨な性描写はほとんど無い点も含めて、ラウラ・アントネッリのエロ映画だと思ったら火傷するぜ。