いののん

プッシャー3のいののんのレビュー・感想・評価

プッシャー3(2005年製作の映画)
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🔨🔨トンカチ映画に間違いなし🔨🔨


プッシャーというのは、麻薬中毒者を意味する言葉でもあると、3作目にしてようやく思い知る。私も、この登場人物たちと同じように、きっとどこかズレているのだろう。


今作の主役はミロ。
全く美味しくなさそな料理を作る。25歳になる娘を溺愛していて、男手ひとつで育ててきて、娘に頼られたい一心の父。依存症の会にも参加して、ヤク断ちしてるところなのに。“いいからいいからコカイン持っときな”と言われ、もうやることなすことうまくいなかいし、魚のフライはなかなか揚がってこないし、もうイライラをどうにもとめられない---!!!
んで、やっちまったぜ。


プッシャーというより、プシャーーーーーって、血がね。
こんなグロいシーンがあるとは思わず、ちゃんとみていられない場面もあった。彼らは平気でさばいてるし、妙に可笑しい挙動とか、不思議な間があったりとかするし、だから思わず笑っちゃったりもするのだけれど、この映画に、こんな場面があると知っていたら、観なかったと思うし、最後まで観られなかったと思う。知らないまま観て、とにかく最後までいけて良かった。


音の使い方も、さすがだ。
ヤク断ちしてたミロが再びズブズブへとリターンしていく時の、切羽詰まったような音の繰り返し。何かを叩くかのような音。何かを引っ掻くような音。不穏な音。そういった音は、一瞬ではなくて、静かに長ーーーく、心をノックし続けていく感じ。カメラも、なんかよくわかんないけど、よく動いて、ぐるぐるまわってる。エンドクレジットでかかる音楽もかっちょよくて、レフンにやられたなあと。


それにしても、今作は私にはハードルが高かった。ああいった場面も楽しんで観られるようになったら、私も映画ファンだと名乗れるのだろうか。その域まで達することができるのか、全く自信がない。(だけど、逆さに吊られている役者さんは、しかも素っ裸だし、大変だろうなと、そういうことを考える余裕はありました!)


私は、映画『ブロンソン』のレビューを書いた際、いつか、レフン監督作品を全部観たら、「レフン監督は○○○○を追求してきた監督である」みたいなことを書きたいと、言いました。「それまで、待ってろよ、レフン!」とさえ、言いました。すみません、反省します。はやくも発言撤回させていただきます。お手上げです。そんなこと考えられるわけがありませんでした。それはフィルマの猛者たちにお任せ致したい。


それでも私は、レフン監督作品を、観ていこうと思う🔨
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