台湾の原住民が首狩り族だったという話は聞いたことがあります。
日本が統治する際に苦労したと言うことも風の噂で聞いたような気がしますが、
それ以上のことは知りませんでした。
なので、そんな未開の土人をテーマに映画ができるものなのか?しかも、2部作?
というのが見る前の正直な所感でした。
ですが、これが見始めると実に興味深くて、エキサイティングで、
作品世界に没入してしまいました。
台湾原住民達は部族ごとに島内で敵対しているわけですが、
他部族との闘いは、一に奇襲、二に奇襲で、
油断しているところを襲って、背後に回って大鉈で首を狩るという具合で、
鬼ごっこや、サバイバルゲームのような無邪気さがあるのですよね。
敵の首を狩るまでは1人前の男として認められないとか、
首を集めるほど部族の中で尊敬され地位が高くなるとか、
首狩りが、部族の文化に組み込まれて、システム化され、
いわばゲーム化されているわけです。
よくこんなんで、つい最近まで全滅せずに生き残れたものだと思うのですが、
むしろ首狩りありきで、島の生態系がうまくバランスしていたと考えるべきなのでしょうね。
こんなことを考えさせられてしまう映画作品に今まで出会ったことがないので、
まず、それが、驚きです。
本作は首狩り族の青年が台湾を植民地化する日本人に対して蜂起する
「霧社事件(1930年)」を扱っています。
途中は長くなるので省きますが、
壮絶な大虐殺をクライマックスに第1部は幕を下ろします。
原住民の無邪気な残虐性、計略性と、
欧米などに比べると激甘な植民地支配手法の対比がとても面白いなと思いました。
史実とはかなり違い、演出過多になっているようですが、
その分、本当にエキサイティングで、面白いです。
全体的に、日本人がマヌケになっていますが、
主人公をヒーローにするためには、演出上、いたしかたないですね。