紫亭京太郎

セデック・バレ 第一部 太陽旗の紫亭京太郎のレビュー・感想・評価

5.0
台湾の山岳地帯を拠点とし「虹」を信仰する誇り高き狩猟民族・セデック族。日清戦争の結果日本軍が台湾に押し寄せ彼らも支配下に置かれ抑圧されることに。
しかし民族の尊厳を無視した抑圧は必ず反発を呼び悲劇へとつながるもの。
第一部「太陽旗」で「太陽」を信仰する民族が押し寄せてくる姿を描き第二部「虹の橋」で「虹」を信仰する民族による反撃と悲劇が描かれる。
台湾固有の民族であるセデック族の人々が民族の尊厳を賭けて戦い信仰のもとに命を落としていった歴史的事件「霧社事件」を原住民の出身者を出演者に揃えて大自然の中を縦横無尽に駆け巡らせ、圧倒的な迫力で描ききったスペクタクル巨編は重厚な一大叙事詩の大傑作!
民族が守ってきた文化・風習というものはその内容はどうであれ強制的に禁止してしまうべきものではない。
紫亭京太郎

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