無名のひと

ポゼッションの無名のひとのネタバレレビュー・内容・結末

ポゼッション(2012年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

老女が、忌々しいものを見るような目で古めかしい木箱を睨み付けていた。
ハンマーを手に箱を破壊しようとするが、顔形が変貌し身体中が折れ曲がって倒れてしまう。
クライドは妻ステファニーと離婚したばかり。
ステファニーには既に恋人がおり、同棲同然の暮らしをしていた。
クライドは、週末は子どもたちと過ごすため、郊外に購入したばかりの家に招く。
娘ふたりととある家の庭のガレージセールに顔を出すクライド。
そこで、次女のエミリーは古い木箱を気に入り、その箱を買い与えた。
箱を手にしたエミリーが家の中を覗くと、全身を包帯に覆われた女性が「駄目!」と叫んでいた。
しかし、看護の家族が素早くカーテンを閉めてしまう。
家に帰り、クライドもエミリーも木箱を開けることができなかったが、夜中ふとしたことでエミリーは箱を開けることに成功する。
蓋の内側は鏡張りになっており、中には蛾の死骸や指輪、歯などが入っていた。
指輪を気に入ったエミリーはそれを指につけ、そこからエミリーは少しずつ変貌していく。
エミリーの異変に最初に気づいたのは姉ハンナだった。
しかし両親の離婚が影響しているのだろうと結論付ける。
ある日の朝クライドが、朝食に乱暴にフォークを突き立てているエミリーを注意すると、エミリーはクライドの手の甲にフォークを突き立ててしまう。
我に返ったエミリーは泣いて謝るものの、明らかなエミリーの変化を怪しむクライド。
クライドは仕事に夢中になるあまり、ハンナのダンス発表会に行く約束をすっぽかしてしまう。
謝罪の電話をかけるとすぐにエミリーに代わり、箱に近づかないよう言われる。
気になったクライドは箱を開けて中を開けるが、蛾の死骸などがあるだけで、エミリーがなぜこの箱に執着するのかが理解できなかった。
エミリーが洗面台の前にいると、喉の奥に人の手のようなものが見える。
しかし幻覚だったのか、それはすぐに見えなくなった。
エミリーは、箱を大きな鞄にいれて学校にまで持っていくようになった。
男子生徒に鞄を奪われたことで激昂したエミリーは、男子生徒を何度も殴り付ける。
学校に呼び出されたクライドとステファニー。
両親の離婚が暴力の原因だとその場は収まったが、クライドは他に原因を感じていた。
しかしステファニーは耳を貸そうとしない。
その夜、担任教師が残業中、エミリーから取り上げた木箱を開けようとして、何者かに襲われて死んでしまう。
エミリーの異変は箱によるものではないかと考えたクライドは、エミリーに黙って箱を捨ててしまう。
激怒し外に飛び出したエミリーは、クライドが捨てた箱を発見し、捨てたのはパパなのだと箱に弁明をする。
後を追ってきたクライドがエミリーを連れ帰ったとき、通報を受けた警官が家の前で待ち受けていた。
ステファニーはクライドと娘たちの接近禁止令を申請する。
クライドは考古学の専門家に箱を見せる。
教授曰く、ユダヤ教の悪魔を封じ込めるために作られた箱だと言う。
クライドは箱の悪魔を封じ込める方法を探す。
眠るエミリーの側で聖書を読むと、聖書は弾き飛ばされてしまった。
悪魔の存在を確かに感じたクライドは、ユダヤ教ハシド派の教会へ向かう。
クライドの持ってきた箱を見た信徒たちは皆恐れて下がってしまう。
悪魔払いの儀式を依頼するクライドだったが、悪魔払いは儀式を執り行った側が乗り移られるリスクがあると拒まれてしまう。
教会を後にしたクライドだったが、ザデックという男が人助けなら戒律違反ではないとクライドに協力を申し出るのだった。
ザデックは、悪魔払いには悪魔の名前を呼ぶ必要があると言う。
箱を開けて、内側の鏡を割るとそこには“アビズー”と子殺しの意味を持つ悪魔の名前が記されていた。
ステファニーは、夜中冷蔵庫を漁って生肉を貪り食う豹変したエミリーに愕然とする。
ガラスを割ってステファニーを背後から攻撃しようとした瞬間我に返ったエミリーは、「私は一体誰なの?」と言ってステファニーにしがみつく。
ステファニーの恋人は、エミリーを精神科医に診せることを提案する。
しかしエミリーに睨み付けられた彼は、風で突き飛ばされ、口内中の歯が抜けてしまう。
恐怖のあまり彼は車で走り去る。
ステファニーはエミリーを病院に連れて行き、MRI検査をすると、エミリーの体内には何者かの顔が写り込んでいた。
ようやくクライドが言っていたことを理解したステファニーとハンナ。
病院に現れたクライドとザデックは、人気のない理学療法室にエミリーを連れていく。
ザデックが儀式を開始し、聖句を読み上げるとエミリーは暴れ始め、家族を振り払って逃げ出してしまう。
追い付いたクライドはエミリーの中にいる悪魔に、自分に取り憑くように叫ぶ。
元に戻ったエミリーを抱き締めているクライドに追い付いたザデックたちだったが、悪魔の姿はどこにもない。
ザデックが悪魔の名前を叫ぶと、クライドの体が壁に叩きつけられる。
クライドの願い通り、悪魔はエミリーからクライドに乗り移っていたのだ。
ザデックが悪魔の名前を叫び続けると、クライドの中から悪魔が這い出して来た。
悪魔が吸い込まれた箱を、ザデックは聖衣で包み、悪魔払いは成功したのだった。
ステファニーは頼もしいクライドを選び、家族4人の生活を始める。
箱を引き受けたザデックは、車で教会に戻る途中、交差点でトラックに激突されて命を落としてしまう。
事故の衝撃で箱は車から投げ出され、再び箱が誰かの手に渡る可能性があることが示唆されて終幕。



アービーズーーーー!!
どんだけアビズー言うねん。
アビズーと叫ぶザデックの身動きがかなりシュールだった。
そのシーンがいろんなものをかっさらってしまって残念。
エミリー役の子の迫真の演技が素晴らしかった。
開かない箱は開けたくなる、駄目と言われることはやっちゃうという、ホラーとしてはあるある。
悪魔の名前は鏡の内側じゃなくて分かりやすいところに書いておいてください。
クライドは、週末しか一緒に過ごしていないにも関わらずエミリーをよく観察している。
一方でのステファニーよ。
悪魔に取り憑かれたら大体生肉齧るんだよなぁ‥などと思った。
悪魔払いって大体カトリックだから、ユダヤ教の悪魔払いっていうのは興味深かった。
その分、アービーズーーー!!だけじゃなくて儀式らしい儀式がもっと描かれていたらともったいなく思った。
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