『ポゼション』
原題The Possession.
映倫区分G.
製作年2012年。上映時間92分。

サム・ライミが製作を手がけ、オーレ・ボメーネダルが監督の『呪いの箱』にまつわる実話を題材に描くアメリカ・カナダ合作ホラー。

妻と離婚し、週末ごとに2人の愛娘と過ごす中年男クライドは、とあるガレージセールでアンティークの木箱を購入して以来、次女エミリーに異変が起こっていることに気づく。
その箱に異常な執着心を示すエミリーは、徐々に性格が凶暴になっていき、奇行をエスカレートさせていく。
我が子の変貌ぶりに危機感を覚えたクライドは調査を開始するが、時すでに遅く、エミリーの体には恐ろしい“何か”がとり憑いていた。

2004年、ユダヤ民話に伝わる邪悪な存在『ディビューク』を封印したという箱が大手オークションサイト『eBay』に出品され、超常現象や都市伝説の研究家の間で話題を集めたことに着想を得て製作されたそうです。
余談ながらディビュークてのは、古代ヘブライ語で、日本語の意味では、
しがみつく、憑とりつく
という物騒な意味があるそうです。
作中、箱の中の悪魔はポーランド語を話す。
🎼なんでだろ～なんでだろ
な・な・ななんでだろ～🎵
元々、ディビュークの箱はユダヤ教徒のポーランド人女性の持ち物で、彼女はスペインで降魔術で現世に召喚した悪霊を封じ込めたといういわくつきの小さなワインセラーだそうです。
ただそれだけのポーランド繋がり。
メルカリにあるか検索したらさすがに怪しいのはなかった😊。

今作品の全体的には、若干の欠点はあるものの、なかなか楽しめる作品でした。
彼女が憑依されているちゅうアイデアを、いつもより控えめなアイデアで、疑惑を深めるために、
神経質な刻み感で、
怒りの不合理な爆発、
目をそらすことで、
憑依の予兆である目細工や、
箱への執着と密接に関連した不気味なささやきを隠し、
前半をゆっくりとその兆候を伝える楽しいものにできた点はめちゃくちゃ巧みやったかな。
また、後半になると、イナゴの大群や悪魔の嘲笑とか、超常現象が顕著になり、全編で最も不穏なシーンにつながるけど、彼女の出番が多く、ゆっくりとした前半にプラスされて、非常に楽しくなる。
フィナーレは、悪魔払いのシーンが中心で、この怪物の特異な出自を、通常のスタイルから離れた良い焦点にすることで、十分にうまく展開することに成功してたかな。
個人的には非常にうまく処理されてるなぁと感じました。
これらは、いくつかの小さな欠点を補って余りあるものでもあるかな。
ただ、今作品の最大の問題は、イナゴがはびこるという大きな切り札を、現実的に可能な限り長く使い続けていることかな。
また、もう1つの要因は、この作品がかなり陳腐で、他の超常現象の呪いの映画とほとんど同じように感じられ、他の作品と同じ特徴を多く演じているし、途中で本当に馴染んでしまったように(またかよと)感じられることかな。
それでも、少なくとも楽しめるだけのポジティブな要素を持っている作品でした。

悪魔系ホラーで実話ベースと言う事もあり、興味深く鑑賞できたが、子供が苦しむ系の作品なので観ていて少し辛くなる所も…

離婚したクライドは、妻とは別の新居に住み、週末は姉妹の子供達と暮らすことに。生活用品が必要な時、たまたま目にしたガレージセールで、妹のエミリーが古い木箱を見つけ購入した事で、得体の知れない恐怖に見舞われて行くのだが、気持ち悪いアイテムの数々や気味の悪い展開など、ワクワクポイントもかなり有り想像以上に楽しめた。

木箱を購入してからのエミリーの表情が、少しずつ狂気に満ちて行くのが、中々秀逸で良かったが、苦しむ姿は少しストレスに。
脚色が加えられているとは言え、宗教絡みや、実話と言う点を考慮して観ると何とも言えないやり切れなさを感じたし、個人的に呪い系アイテムは、色々と聞いているだけに尚更恐怖を感じた。
この手のホラー定番の家族愛も良かった。
悪魔系や呪い系のホラーが好きなら楽しめるかと。

2004年ロサンゼルスタイムスに掲載された都市伝説の記事を基にした呪いの箱にまつわる戦慄のオカルティックホラー作品。

妻と離婚したクライドは、2人の娘と週末だけ過ごす事を許されていた。

ある日、次女のエミリーがガレージセールでアンティークの木箱を手に入れる。それ以来すっかり箱に夢中となり、一方で人が変わった様に暴力的になっていく…。

時を同じくしてクライドの家では奇怪な現象が起き始める…


観る者に恐怖を感じさせる為には脚本や演出の度合いにもよりますが、今作では演出がとても凝っていてホラー好きにも楽しめる仕上がりになっているのではないかと思います。

実際大手オークションサイトeBayに出品されていたこの呪いの箱には、決して開けてはならない約束があります。

…してはならないとか聞かされても、ごく一部の人には通じませんよね。危機感を覚えた時には、すでにその底のない沼にどっぷりはまっている状態です。

エミリー演じるナターシャ・カリスの熱演は素晴らしいですね。まさしく体をはったと言わんばかりの演技でした。

病院でのシーンがありますが、実際に廃病院で撮影されたらしく不気味な空気感が漂っていました。リアリティーを出すには仕方ないのでしょうが、製作者側もある意味命懸けですよね。