経年変化

列車の中の人々の経年変化のレビュー・感想・評価

列車の中の人々(1961年製作の映画)
4.4
所有BD再鑑賞。
前作『沈黙の声』の作風からがっつり舵を切った、偶然その場に居合わせた人々が織り成す悲喜劇。軽妙な手つきによって進行していくなかゲシュタポ登場で空間温度がグッと下がるところが出色。銃殺対象者をランダムに選別していくくだりはブルった。
射殺されるワンコの描写がその後のポーランドの受難を予感させつつ各々がどの様なレールを進んで行ったのか、そして花束を放ったのは誰なのかをはっきり開示せずに長期間の空白を設置する大胆さ。前作の省略美学の堂々たるアップデート