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列車の中の人々のmhのネタバレレビュー・内容・結末

列車の中の人々(1961年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ポーランドを代表する文化人監督によるナチスドイツ占領下のワンシチュエーションドラマ。
さまざまな出自、さまざまな事情を抱える旅客客が、車両故障で足止めを食う。小さな駅で起こる喜劇的小ネタ集といった装い。
観客泣かせなのは、「ポーランドの鉄道」「貨物列車」「ユダヤ人」から連想する物事は起こらないあたり。
ただし、ナチス親衛隊による、パルチザン刈りをクライマックスに持ってきている。それも、「酔っ払ったSSが乗客全員パルチザンだと思い込んで電話連絡したため、SSの皆さんがやってくる。パルチザンのものだと思われた銃が実は酔っ払ったSSの私物だとわかって一件落着」といういってこいエンドなんだけど、コメディだから許してねという形。
勇気ある子どもと卑怯な(カップルの)男の対比とか、立ち去るSSが犬を撃ち殺すことでホロコーストをほのめかしているとか、フックだった花束のくだりの白黒をあえてぼやかしてるとか、そういう細部は正直良くわからんかった。
まあ当時のポーランドの映画は、検閲も突破しなくてはならなかったからね。そのあたりを忖度して見ないといけないのかもしれない。
アンジェイ・ワイダみたいな反権力スタンスは、極めて特殊な例という認識で間違ってないはず。
似たシチュエーションのチェコ映画「厳重に監視された列車(1966)」のほうが個人的には好きでした。
モノクロ映像はめちゃきれいだったが、これはいまひとつ。
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