ヤスマサ

欲望のバージニアのヤスマサのレビュー・感想・評価

欲望のバージニア(2012年製作の映画)
4.0
実話を基に、アメリカ禁酒法時代のバージニアで、密造酒ビジネスで幅を効かせるボンデュラント3兄弟と悪徳取締官らの抗争を描いたクライム・ドラマ。
バージニア州フランクリンは、密造酒の製造が盛んな田舎町で、警察も黙認していて無法地帯ながら、ある意味秩序が保たれていたが、新任の特別補佐官レイクス(ガイ・ピアース)が現れると状況が変わり始める。

実話である旨と映画の題名が、白から赤へと色が変わり、話しの残忍さを思わせる始まり。
兄弟の三男ジャック(シャイア・ラブーフ)が語り手となってストーリーが進む。
ジャックは野望があるが向こう見ずで、大金を掴む道筋を建てたりもするが、危なっかしく観ていて苛立たしい。
どうしたって思慮深く腕の立つ、兄弟を引っ張る次男フォレスト(トム・ハーディ)に感情移入してしまう。
メリケンサックもパワー炸裂。
ジャックの軽率な行動で蒸留所を取締官らに破壊されると、「いいか、金なんてどうでもいい…、これはな信念の問題だ」と言い放つカッコ良さ。
原題は“ LAWLESS(無法)”…、邦題を否定する訳ではないが、映画の重みを欠いている。
無法なりの秩序の中で、最後まで原題の意味が絡んでいるように思える。
美談的に描かれたストーリーで、且つどこまでが真実かは分からないが、奮い立つ何かを感じられる作品。
ヤスマサ

ヤスマサ