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氷の微笑2のmimagordonのレビュー・感想・評価

氷の微笑2(2006年製作の映画)
3.4
前作を何度か観てパズルのピースがはまってる私のような人にとってはある意味究極の「出オチ作品」だろう。ただ、前作同様犯人が誰かを予測するのがこのシリーズの魅力ではなく、キャサリンのゲームに主人公もろとも観るものまで絡めとられるところにこそある。その点、今回のキャサリンの「対戦相手」はあまりにも弱すぎる。前作のキャサリンを考えるととても相手にするタイプとは思えない。基本的に映画の構造は前作と同じなので、キャサリンのメインの駒である精神科医マイケルに、より対等なゲーム能力を与えて欲しかった。スリリングになるポテンシャルは充分にあったと思うので残念。

もしかしたら今回のゲームに欠けていたのは、「ポール・ヴァーホーヴェン」かもしれない。ヴァーホーヴェンはキャサリンによるミスリードを上手くサスペンスとして昇華していた。キャサリンというキャラクターを捌ける監督は、彼以外いないのかもしれない。それだけヴァーホーヴェンが作り上げた女性像だとも言えるだろう。男性より常に一歩先を行く女性を描かせたら、ヴァーホーヴェンの右に出る者はいないのだ。
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