森野樽児

燃える仏像人間の森野樽児のレビュー・感想・評価

燃える仏像人間(2012年製作の映画)
4.5
巷を騒がす仏像盗難事件に巻き込まれ両親を失った少女紅子。両親の古い知り合いだという住職、円汁の寺に身を寄せる中、人間と仏像を融合させる恐ろしい計画が両親を死に追いやったと知る。
復讐に燃える紅子は自らも仏像と融合。寝たきりの祖母ベニラや仏師の円慈らの力を借り憎き仏敵を討つ!
そんな紙芝居?紙芝居これ?ムービーです。

とにかく怪作。
とんでもない怪作。
これを怪作と言わずしてなんと言うか。

まずビジュアルがとんでもないです。
二次元のイラストを三次元に動かすというありそう出なかった斬新な発想。
それでいてまぁ絵柄がキモい!(褒め言葉)

日野日出志を思い出すような不快な絵柄が作品全体にじとじととした生々しい雰囲気を醸し出しています。
折角のヒロイン紅子のサービスショットもまあまぁありますが、いかんせん顔が怖い!!
喜べない!!

話も中々奇天烈で、スピリチュアルとオカルトとSFを闇鍋したような独特の世界観。
話を追うだけでも頭がクラクラして来ます。

それでいて割と笑わせるとこは笑わせに来るし、なんだかんだでバトルも熱い。

この手の作品では監督の思想や性壁が色濃く出た結果、一種現代アートのような立ち位置に入ってしまいどこか娯楽作品として見られなくなるパターンもありますが、当作品はしっかりエンタメしてる所が素晴らしいと思います。
でも紅子の顔が怖い!!!

80分決して長くは無いです。
飽きずに見られます。
絵柄というかこの雰囲気が受け入れられればですが。

しかし
主演に井口裕香
敵役に寺田農
主題歌は桜の稲垣早希
何食ったらこんな組み合わせで行こうってなるんですかね?
そこが一番ぶっ飛んでます。

何をどう勧めたらいいか分かりませんが、私は好きです。
オススメです。
森野樽児

森野樽児