Maoryu002

メイジーの瞳のMaoryu002のレビュー・感想・評価

メイジーの瞳(2012年製作の映画)
4.1
少女メイジー(オナタ・アプリール)の母スザンナ(ジュリアン・ムーア)と父ビール(スティーヴ・クーガン)は喧嘩ばかりで離婚を決める。やがて両親それぞれが再婚すると、メイジーはそれぞれの再婚相手に預けられるようになり、大人たちの事情でたらい回しにされてしまう。

身勝手な大人たちに振り回されるメイジーの視線をとおして、大人の愚かさを描いた作品。

欧米では日本よりも親が自分の時間を大切にするあように見える。それはいいんだけど、スザンヌもビールも自分の欲求のために子供に犠牲を払わせている。こんなの親失格でしょ。
ハグしてキスして “愛してる” と言えばいいわけじゃない!

他人の悪口ばかり言う大人と、一方で誰をも受け入れるメイジーとの対比を見せつけられる。
そして、メイジーとマーゴとリンカーンが初めて3人になったときの穏やかさが皮肉だ。

すべての元凶に思えるスザンナは最後には “母親” という魔法も力を失ってしまう。あれは自業自得だけど、それでもメイジーは実の両親を愛し続けるんだろう。
ラスト、桟橋を駆けるメイジーは笑ってない。船で待つのが約束した父親ではなく、そこに母親もいないからか。
そういった意味でも、大人の愚かさと、親の責任の重さを感じるストーリーだった。

あとは、メイジーがいい子過ぎて怖い!
彼女は “いいよ” “大丈夫” ばかりで、自分を押し殺しているようだ。必死に我慢して実は助けを求めている彼女が、孤独な夜に一度だけ見せる涙がたまらない!!
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