Aix

プライズ〜秘密と嘘がくれたもの〜のAixのレビュー・感想・評価

3.5
ベルリン国際映画祭で撮影賞と美術賞を受賞したメキシコの作品。軍事政権下のアルゼンチンで親子を描いた話。

ミツバチのささやきからファンタジーを抜き取ったような作品でした。好奇心の強い無邪気な少女と、余裕のない母親にフォーカスが当たっていて、基本的には暗い雰囲気です。

今作の最大の褒めどころは子役の演技でした。ミツバチのささやきととてもよく似た演技をしていましたが、おそらく監督はあの作品を演出の参考にしたんだと思います。子供同士が遊んでるシーンなんかは、まんまミツバチのささやきでした。一方でストーリーにはややツッコミどころがあります。あんな危なっかしい少女を学校に入れるのはそもそもどうかしてるし、リアルな人間像を追求したにしても、母親の行動は馬鹿で共感が得られるものではありません。確かに演技とか映像は良かったけど、それに対して脚本が足を引っ張っている作品でした。
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