てつこてつ

探偵ヨンゴン 義手の銃を持つ男のてつこてつのレビュー・感想・評価

3.3
万人受けは絶対しないだろうが、カルト映画として割り切って見ると、それなりに楽しめた。脱力系サスペンスアクションってなテイスト。

タイムマシンを完成させた著名な考古学者が何者かに暗殺された。借金まみれのしがない私立探偵が、襲い来る暗殺者たちと戦いを繰り広げながら真相に迫る・・っていうストーリーはきちんとあるし、主人公が街中を疾走し続けるといったスリリング感、撮影手法、カット割りも、かなり拘りを感じさせるものがあって、映画としてのチープさは全くない。

が、表情が乏しくイケメンとは程遠い、ボサボサ頭・だらしなく中途半端に伸ばした髭面、アロハにハーパン姿の主人公の探偵は、どんなにシリアスなシーンでも、どこか呆けた感があって全く締まりがない・・でも、だからこそ面白い。

絶体絶命!的なシーンで流れるBGMは、どういう訳だか、お経。「スケバン刑事」のヨーヨーならぬプラスチック製の巻き尺を自由自在に操り襲ってくる刺客。とどのつまりは、あわやヤラレルかという場面で、唐突に探偵の義手がロボコップみたく自動拳銃に大変身!w

そこまでやらかしておきながらも、全体を通して、コメディではなく、ハードボイルドテイストを突き進んでいるという絶妙なチグハグ感。でも、そこがまたたまらない。

こういう作品もたまには良いかな。
てつこてつ

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