アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

サイレントヒル:リベレーション3Dのアベラヒデノブ0阿部羅秀伸のレビュー・感想・評価

3.1
主人公の覚醒が、突然訪れる。
隠せの伏線が、足りていないのかもしれない。
秘密を具体的に説明し過ぎたことで、サイレントヒルの恐怖が、薄れてしまっているんだと思う。何もかもを、上手くパズルに嵌め込もうとしたことで、作られた嘘の世界だと観客に告げてしまった。
現実の方が奇なり、科学では説明できない、理解の追いつかない現象ももっと入れ込むべきだった。
誰かの剥がれた爪や、指が、額に入れられて壁沿いに並んで飾ってあるとか。その中の指の一本にはまった指輪が自分のものと同じとか。
分からないけど、大味な演出が多すぎた気がする。
ただシーンによっては、謎の看護師軍団のところとか、一度見たら忘れられない、面白いシーンもあった。
特殊美術の造形も、とても面白い。
だが全てが、ワ!と驚かせるタイプの演出で、その上、編集もカットテンポが早すぎるため観客が慣れてしまう。
怖くなくなっていくのだと思う。
心理的な恐怖を上手く演出するにはどうすれば良かったのだろう。
主人公が意外と追い詰められていない。袋小路の恐怖が無い。
脚本家が優しすぎるのかも。