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アイ アム ブルース・リーのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

アイ アム ブルース・リー(2011年製作の映画)
4.3
ブルース・リーは突然の死を迎えた。家族、友人、そして世界中のファンが嘆き悲しんだ瞬間だった。世界で最も有名なヒーローのひとり、ブルース・リー。誰にも真似できない独創的で哲学的な彼の思想は、現代の哲学者、俳優、フィルムメーカー、ミュージシャンそしてスポーツ選手の間でインスピレーションを刺激する存在として未だに語り継がれている。過去作品の映像や本人インタビュー映像、プライベートフィルム、各界の著名人インタビューなどをふんだんに使い、ブルース・リーの生涯を様々な角度から描く。誰もが認める武術の天才でありながら、有色人種であるという壁が立ちはだかり、出演作に恵まれなかった雌伏の時代。それでも誇りを捨てず、自分を信じ己の道を貫いた。 偉大なブルース・リーの生涯や遺産そして偉業を、ブルースの妻リンダや娘シャノンなど近親者だけでなく、ブルースとジークンドーを広めたダン・イノサントや総合格闘家でアクション俳優カン・リーや俳優ミッキー・ロークや総合格闘家ジーナ・カラーノなど多彩な人物のインタビューで読み解いた傑作ドキュメンタリー映画。子役スターで権威に逆らい続けた幼少期、詠春拳をアメリカで欧米人に教えたことに反感を買われウォン・ジャックマンと戦ったりテレビドラマ「グリーンホーネット」で話題になるも自身の脚本による「燃えよ!カンフー」では主役を演じられなかったりなど人種の壁に苦難を強いられたアメリカ時代、香港で映画スターになるも人間不信に悩まされたりした香港時代までを描いていきながら、ジークンドーのファイトスタイルにフェンシングやボクシングが与えた影響やブルース・リーが「偉大な人物になりたければ時間を無駄に出来ない」という考えの基で例えばボクシングの映像を見ながら読書やトレーニングを平行してやったり常に「70年代にアクションスターになり80年代には1000万ドルの資産を築く」などはっきりした目的意識を持って過ごしていた自身の生涯を設計して生きていた貪欲な人間性や武術家としてだけでなく哲学を分かりやすく人生に役立つ哲学として武術を通して広めたことやジークンドーが総合格闘技に与えた影響や武術を自己表現する方法として広めたことなどを、ブルース・リーの映画の映像やブルース・リーが武術家としてアメリカで認知されるきっかけになったロングビーチの空手大会での演武などのレア映像なども絡めて描いているので、ブルース・リーのファンには文句なしのドキュメンタリー映画です。
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