たてぃ

遥かな町へのたてぃのレビュー・感想・評価

遥かな町へ(2010年製作の映画)
4.4
谷口ジローさんの漫画が原作のフランス映画でしたが、「静けさ」を本当に上手く使ってるなぁと思いました。日本らしい「間」の取り方。また、観ている自分までも少年時代に戻った気分になりました。( ;∀;)

パリ在住の漫画家の中年男性が主人公。地方での展示会の帰りに電車に乗り爆睡するも車掌に起こされパリ行きの電車でないことを知らされる。仕方なく途中下車するとそこは少年時代を過ごした山あいの街。すっかり過疎化した街を歩くと旧友と遭遇し主人公の暗い過去が分かる。それは、父親が失踪しのちに母親は病死したこと。そして母の墓地へ墓参りすると突然14歳の頃にタイムスリップ…そう、父親が失踪する前の時代に…

悲しい話ですが、この作品が好きになった点は二つあり…
1)観ている自分も14歳の頃を思い出させる。反抗期真っ只中だった自分…もっと親とちゃんと話せていたらなぁと…(T_T)
2)私自身、少年時代に山あいの小さな町に親戚の家があって何度も訪れたことがあります。その後、大人になって久しぶりに再訪した時の気分を思い出させてもらいました。その再訪時には少年時代の良き思い出を振り返りながら街を歩くのが本当に気持ち良かった。主人公が言ったように「帰りたくない…」と…(^_^;)

日本の漫画が原作の外国映画でも日本らしさをしっかりと表現していて好印象ばかりが残った作品でした。(個人的には夏休みの頃にもう一度観たい)

【補足】
作品の終盤に原作者の谷口ジローさんが登場(セリフなし)しますが、谷口さんはフランスで芸術文化勲章を受賞するくらいフランスでは有名なんですよね。

http://natalie.mu/comic/pp/taniguchijiro?nosp=1
たてぃ

たてぃ