爆裂BOX

シー・トレマーズの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

シー・トレマーズ(2010年製作の映画)
3.3
海洋生物学者のスカーレットは調査の為北スマトラ沖へ向うが、水上漁場で過酷な労働を強いられる少年タマールを目撃。タマールの兄が密漁者に謝って撲殺され、復讐に燃えるタマールは呪術の儀式を行い…というストーリー。
タイトルに「トレマーズ」とついてますが、勿論あの「トレマーズ」とは関係ありません。「死霊のしたたり」等を製作したブライアン・ユズナの久しぶりの監督作ですね。
物語はタマールの呪術によって呼び出されたアンカ・ムルカと呼ばれるサソリの化け物がタマールたちを酷い目に合わせた密漁者たちを次々に血祭りにあげていき、それにタマールを助け出そうとしたスカイラーたちが巻き込まれていくという物です。
前半はタマールと兄の置かれた劣悪な労働環境の水上漁場でのやり取りなどが描かれます。ここで働く密漁者達も荒くれ者ばかりで憎たらしくて中々キャラ立ってたと思います。同じく働いてる子供達もいますが、こいつらも中々性悪で下劣な奴らです。
アンカ・ムルカはそのまんま巨大なサソリの化け物で、CGのクオリティなんかはよくできてたと思います。最初は尻尾とかしか出てきませんが、途中からガッツリ全体像表して暴れてくれるのは嬉しいですね。ただ、終盤のマイケル・パレとの戦いでは合成が浮きすぎてて笑ってしまいました。一応タマールが呪術で呼び出したような感じですが、最初の密漁者襲った時儀式する前だったよね?
ゴア描写も結構グロいのは流石ユズナ監督という感じですね。子供文字下半身千切られたり頭部だけになったりと酷い事になりますが、前述のようにクズな感じの奴らなんで同情はできないですね。
今じゃB級~Z級映画の常連と化した感のあるマイケル・パレがチャーター船の船長役で出てますが、一応ヒーロー的な役回りだけど、船で一回逃げた後はヒロインや密漁者達が襲われてるのを船の上で見てるだけであまり活躍しないんですよね。終盤ではアンカ・ムルカと戦いますが。
タマールの秘密はまあ、何となく最初の方で予想は付きますね。目力がイイ感じの子役でした。
ラストは中々胸糞の悪いバッドエンドですね。アンカ・ムルカが彼女を守ってたのは子供を守る為だったのか。原題に3Dついてたのでてっきりサソリが画面に飛び掛かって終りと思ったら普通に下りて行ったのは拍子抜けしました。
個人的には普通に楽しめたモンスター映画でした。でも、「トレマーズ」のような明るいモンスター・コメディ期待したら外すと思います。