ある日突然パパが亡くなった。大きな木の麓で。だからだろうか?シモーンは木にお父さんの魂が宿っていると信じ、話しかける。声も聞こえるという。シモーンと木の関係を中心に家族がパパを失った悲しみから立ち直っていく姿を描く。
最初に少しパパが出てきていたので、ちょうどwomanの小栗旬みたいに感情移入してしまった。あんなに頼もしくて優しいパパがいきなりい亡くなるんだから、家族にとったらショックの他の何者でもないだろう。
亡くなった人を自分の身の回りの何かに置き換えてしまう気持ちがなんとなく分かる。寂しさや悲しみを埋めるためになんとか自分の周りのどこかにはいると信じたくなる気持ち。
兄弟たちはそれぞれの方法で立ち直っていく。ママもシモーンと同じように木にパパを重ねるようになる。木が見せる表情がパパの感情なのだとしたら、パパは少し寂しかったのではないだろうか。いつしか木が家を壊していくようになってしまう。伐採に抵抗するシモーン。
この映画、全体を通して静かで少し暗かった。しかし、これが普通なのかもしれない。大切な人を失って明るい映画になるわけがないのだから。これから先この家族の痛みや悲しみは時がゆっくり癒してくれるだろう。