toumei

ブリングリングのtoumeiのネタバレレビュー・内容・結末

ブリングリング(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

後先考えず目の前の楽しさだけを貪る彼女たちを見ていると、私たちの物欲とか憧れとかも何なんだろうなと思う。
素敵だから欲しいと思う、でも買ったら満足して実際には使わずタンスの肥やしになるなんてよくある話。

目の前のいいなと思うものをなんとなく手にとることで毎日の見たくないものを誤魔化して、つまらなさを一時的にでいいから吹き飛ばして。
素敵なモノを持つことで素敵なあの人たちの仲間になれたような気分になって。

なんだか空虚だ。
長期的に見たら意味がないとわかっているけどそれでも、今が良ければとりあえずやっていけるから、選択してしまう。
一般人にはあるのに彼女たちには欠けている部分は確かにあるけど、でも本当はそんなに遠い存在はないんじゃないかと思う。犯罪のラインを悠々と超えてしまえるところ以外は、ほとんど私たちと一緒なんじゃないだろうか。


そして、実際に彼らにはファンがたくさんできたという。憧れてしまう人たちがいる。
最後の「真実を知りたいなら私のホームページを見て」というメッセージに対しても、思わず見たくなってしまった自分がいた。好奇心を利用される。彼女の思うツボだ。

盗むとか犯罪とか物とか快感とかそういうものについて、なんだか考えさせられた。あれほどまでに愚かなんだろう、彼女たちも、人間も。
即物的に生きないとやってられないような退屈と鬱屈に飲まれないように暮らしている人たちは、これからどうやって生きていけばいいんだろう。
飲まれたらきっと死んでしまうよ。
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