舞台は近未来。セレブ人気が過熱するあまり、セレブのウイルスやセレブの細胞からつくられた肉が大流行というトンデモ設定なSF。
登場人物の性的嗜好が特殊すぎて共感は難しいが、ストーリー自体は複雑ではない。美術や演出にこだわりが見られる、アーティスト性の強い映画。グロテスクで過激なシーンのほか、真っ白な部屋にセレブの巨大写真が貼ってあるだけでもかなりのインパクト。文字通り病的な主人公を演じるケイレブ・ランドリー・ジョーンズは、初主演とは思えないほどの怪演。
それにしても、クローネンバーグ家の監督は親子揃って「変身/変質」に対する凄まじい執着がありますね。