tKo

アンチヴァイラルのtKoのレビュー・感想・評価

アンチヴァイラル(2012年製作の映画)
3.3
美しき悪趣味ド変態映画。観るまでは美しく才能のあるセレヴたちの皮膚や細胞を売買する近未来というお話かと思っていたら、実際は憧れのセレヴたちが患った病原菌を培養して同じ苦痛を味わったり、セレヴの細胞入り肉を食べたりという何とも想像以上に気持ちが悪い設定で、そこから始まる製薬会社の陰謀の物語だった。白を基調とした映像なので血の赤色が鮮明に映えるのだが、とにかく主人公・シド役のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが終始病的な感じでそれを許容できるかどうかだと思う。物語としてはもう少し捻れるかな、とは思うがウィルス自体に顔があったり、アイディアやサンプルのパッケージングなどが秀逸で、全体的な気持ち悪さは父の『ヴィデオドローム』を彷彿とさせる。悪趣味だけど嫌悪感なく見れる奇妙な作品。
tKo

tKo