jun2km

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命のjun2kmのレビュー・感想・評価

3.8
それは光あふれる夜の遊園地から始まった。
ライアン・ゴズリングさん演じるバイク乗りルークのスタントショー。エンジンが爆音を立てても、バイクは同じ場所を回ることしかできない…。彼には別れた彼女との間にジェイソンという名の男の子が生まれていたがその事を知らされていなかった…。
ルークの物語からジェイソンの物語へと続いていく長い話。森の中を流れる風のように、時に激しく、時に静かに、止むことなくすべてが流れていく。どこへ流れていくのかって?そんなことわからない。こういう進め方、好きです。だって私達の日常もそうでしょう。
幼いジェイソンの教会での洗礼式。洗礼…。どんな意味があるんだろう。私はキリスト教徒ではないので、真の意味はわかりません。
一方、ルークはバイクを使って銀行強盗をやってしまう。自慢のバイクを黒く塗り替えて。ついに彼は警察に追われ、猛スピードで街を疾走していく。「こんなことのためにバイクの腕を上げたんじゃないんだ!俺は何故、逃げるために走っているんだ!俺は生まれながらに罪深い男なのか⁉︎」
15年後。
ジェイソンはルークの物語と出会ってしまい、彼が銀行強盗をした理由も悟ってしまう。そして、静かなラストシーンへ。美しい風景の中、穏やかにバイクを走らせるジェイソン。幼い頃に洗礼を受けた彼は、ルークの物語に関わった人達を原罪から解放して去って行ったんだろうか。
その答えは映画を見て、ぜひ考えてください。
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