オトマイム

男として死ぬのオトマイムのレビュー・感想・評価

男として死ぬ(2009年製作の映画)
4.3
落ち目のドラァグ・クィーンである男の話。すごく面白かった!

色彩感覚が研ぎ澄まされている。
オープニング、兵士の顔のアップ。顔に塗られていく絵の具のどぎつさと薄い瞳の色。
壊れて水が流れてしまった水槽から金魚をすくい上げる手が、赤いライトで縁取られる。
歌い出した主人公がざらついた赤のモノクローム映像に変わる。
森に佇む人たちが月明かりで赤く、青く照らされる。他にもハッとするほどの美しいシーンがたくさん。特に森のシーンは素晴らしく、目に焼き付いている。

そして犬が可愛くてたまらない〜〜
テリア系と、ノラの方はボーダーコリーかな(違うかも)。きっと監督は犬好きなのだろうな。この犬たちがちょいちょい重要な役割を果たす。

ちょっとマツコ・デラックスみたいな主人公が、話が進むにつれてすごくいい顔に見えてきた。

ポルトガルとスペインという隣同士の国でトランスジェンダーを描いているという共通点があること、独特な色彩感覚などからペドロ・アルモドバル監督の作品と通じるものがあると感じた。この監督の他の作品も観てみたい。