natsumi

男として死ぬのnatsumiのレビュー・感想・評価

男として死ぬ(2009年製作の映画)
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衰退の道を辿るドラァグクイーンのトニアと息子と同じくらいの歳の離れたヤク中彼氏ロザリオ。宗教深いトニアは元から自分のアイデンティティに後ろめたい気持ちでいたが、胸のインプラントが拒絶反応を起こしはじめてから自分の運命と向き合い始める。タイトルからネタバレしてる。

前半は二人が一緒にいるのが共依存にしか見えなくて、でも悲しいとかじゃなくて、なぜお互いメリットがない二人が一緒にいるのが分からず、展開も遅いためイライラしていた。後半ロザリオのヤクが抜けてから誤解が解けたり多少は安定した関係が見えてきたからの展開にグッときた。トランスとカミングアウトした後に本人がトランスであることへの迷いを描いているのも新鮮に感じた。しかも本人よりも周りの方がトニアを女性として見てくれているから余計に。ロザリオが病院でトニアの体を拭いてあげるシーンが哀愁漂う雰囲気でありながらもとても愛を感じられる。折り紙で性転換手術を再現するシーンも演出がすごい上手いし丁寧で好き。トニアの最後の願い、聞いてもらえて良かった。犬だけがどんなに壊れた人間でも愛してくれる。でもトニアもシスの男性が演じてるんだよなー。
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